アニメ版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の感想

ネタバレをほんのり含むので注意。 初見の衝撃を大事にしたほうがいいタイプの作品です。

先月あたりから劇場版の話題を見かける機会がちょこちょこあって、気になってはいたが手を伸ばすには至らず。それが今回公開締め切りぎりぎりで映画を観に行くことになったので、これまた駆け込みでアニメ版を履修することにした。 昨日の夜に1話から見始めてつい先程12話完走。 なるほどなぁ……!これは確かに前評判の期待を裏切らない。紛うことなき良作だった。「舞台」「少女」「歌劇」すべての要素を余すところなくストーリーと構成に活かしている。 途中思わず熱くなって椅子から立ち上がったり、涙ぐんだり、「大場ななッッッッッ」って叫んだりした。大場なな……………………好きだ…………………………(嗚咽)。

前評判通り、映像演出がとにかくすごい。すさまじい。これほんとにアニメ版?映画じゃないの?って思うくらいの迫力で押し切ってくる。色彩構成も見事だし、とにかくアクションがびゅんびゅん動く。服や小物がなめらかに質感を表す。上掛けが落ちるシーン、毎回実際に落ちてる物質の軽さに対して想いが重過ぎる。 アニメでこれなら劇場版はどうなっちまうんだってばよ。

1話の後半で既に「アタシ再生産」と変身バンクの世界観に引き込まれていた。ただ、舞台パートとは隔てられた日常パートにも実はふんだんにスパイスが振り撒かれているのでドキドキする。そこから少女たちの関係性と群像劇に一喜一憂しながら7話。7話…………大場なな…………(嗚咽)(二回目)。聞くところによると劇場版再生産総集編ロンドロンドロンドなるものがあり、大場ななファンを殴るのにちょうどいいらしい。観たい。ていうかそれも映画館で観たかった。強烈にそう思うほど映画然としたアニメ作品だし、同時にリアル舞台化を大前提として作られた作品だろうなと思った。舞台化作品をほとんど観たことがない私でも、レヴュースタァライトの舞台は観たい。だって舞台は、演者と観客がいて初めて成り立つから……。

全体の傾向としては、まどマギ今敏監督のパプリカ、ダンロンなんかも少しだけ連想させた。たぶんキルラキルあたりを履修してるとより近しい場所にある気がする。クサい台詞も演出次第、なんて言うと身も蓋もないが、とにかく登場人物の心情をまっすぐにまっすぐに伝えるための作品だったという気がする。

あと個人的にはやっぱり、最終話でキリンが話しかけてきたときのぞわりとした感情がよかった。 劇場版はこれ以上の衝撃を与えてくれるんだろうか。期待半分不安半分です。わかります……。