そして誰もいなくなった(1945)観た

ネタバレ注意。

新しきコンテンツ体験は故きコンテンツ体験から生まれると論語にも書いてあるので、前から気になっていた古典のうちのひとつを観てみた。原作小説は読んでいないが、オリエント急行の方は読んだことがある。

サスペンスの割にはコメディ要素もあったりして、かなり娯楽映画に寄ってるなという感じ。 私は普段あまり観ないわりに古い映画が結構好きなたちで、カメラワークなどあったものじゃなくても終始楽しく観られた。白黒映画しか撮れない時代は「色」が鍵になるストーリーなんかは作れないんだろうなあ。

話のほうは、「死んだと思っていた人間が実は生きていた」というのが話の種で、医者を最後のほうまで残しておくのは生死の判別に必要だという物語的な都合かねえと思っていたらギミックに含まれていたのでまんまと引っかかった。

自分が今まで知ってきたあの作品もあの作品も、なるほどこういう作品の系譜で作られてきたんだなあという感慨深さがあった。ねずみ算式に増えていく新たな作品群の末端を追っていきたいのと同じくらい、どこまでも根源に近いほうを遡って知りたいという気持ちがあるのは、どういう心の働きなんだろう、と少し考えたくなった。

原作小説を読んだらまた追記等するかもしれない。